頭痛外来
頭痛外来

頭痛は、誰もが一度は経験する身近な症状ですが、その一方で日常生活や仕事、学業に大きな支障をきたすことも少なくありません。「市販薬で我慢している」「いつもの頭痛だから」と放置されがちですが、頭痛の背景には適切な治療が必要な病気が隠れている場合があります。頭痛外来では、頭痛の原因を正確に診断し、一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた治療を行っています。
頭痛は大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けられます。
一次性頭痛
脳そのものに重大な異常がないにもかかわらず繰り返し起こる頭痛で、代表的なものに片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛があります。
二次性頭痛
脳出血、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など他の病気が原因となって起こる頭痛です。特に突然発症する激しい頭痛、発熱や麻痺を伴う頭痛、これまで経験したことのない頭痛などは注意が必要であり、迅速な診断と治療が求められます。当外来では、問診や神経学的診察を重視し、必要に応じてMRIやCTなどの画像検査を行いながら、安全性を重視した診療を行っています。疾患の詳細については脳神経外科外来の項目をご参照ください。
片頭痛の特徴
慢性的な頭痛の中でも、最も多いものの一つが片頭痛です。片頭痛は、頭の片側あるいは両側にズキズキと脈打つような痛みが生じ、数時間から数日続くことがあります。吐き気や嘔吐を伴ったり、光や音、においに敏感になることも特徴です。日常動作によって痛みが悪化し、仕事や家事が困難になることも少なくありません。女性に多くみられ、ストレス、睡眠不足、月経、天候変化などが誘因となる場合があります。また、一部の患者さんでは、頭痛の前に「閃輝暗点」と呼ばれる視覚症状や手足のしびれなどの前兆を伴うことがあります。
片頭痛の治療
片頭痛は単なる「体質」ではなく、適切な治療により改善が期待できる疾患です。治療には、頭痛発作時に痛みを抑える急性期治療と、頭痛そのものを起こりにくくする予防療法があります。
急性期治療では、解熱鎮痛薬に加え、トリプタン製剤や近年登場したジタン製剤、CGRP受容体拮抗薬など、片頭痛に特化した治療薬を使用します。特にCGRP関連薬は、片頭痛発症に関わる神経伝達物質を標的とした新しい治療であり、従来治療で十分な効果が得られなかった患者さんにも有効性が期待されています。
最近の片頭痛治療
近年は片頭痛の予防治療が大きく進歩しています。従来から使用されてきた抗てんかん薬、降圧薬、抗うつ薬などに加え、CGRP関連抗体薬という注射薬や内服薬が登場し、頭痛頻度や生活障害を劇的に改善できるようになりました。慢性的な片頭痛に悩む患者さんに新たな治療選択肢を提供しています。当外来では、頭痛日数や生活への影響、患者さんの希望を踏まえながら、最適な治療法をご提案しています。
緊張型頭痛の特徴
非常に頻度の高い慢性頭痛です。頭全体が締め付けられるような鈍い痛みが特徴で、「頭に重い帽子をかぶっている感じ」と表現されることがあります。肩こりや首のこり、眼精疲労を伴うことも多く、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、精神的ストレス、姿勢不良などが関連しています。片頭痛ほど強い痛みではないものの、慢性的に続くことで集中力低下や疲労感につながり、生活の質を低下させます。
緊張型頭痛の治療
痛み止めだけに頼らず、生活習慣の見直しやストレス管理が重要です。適度な運動、睡眠改善、姿勢指導、ストレッチなどを取り入れることで症状が軽減することがあります。また、慢性化した場合には、筋緊張や精神的要因を考慮しながら予防薬を使用することもあります。当外来では、患者さんの生活背景や職業環境にも配慮し、総合的な治療を行っています。
比較的まれですが、非常に強い痛みを伴う頭痛です。目の奥をえぐられるような激しい痛みが一定期間毎日のように繰り返され、涙や鼻水、まぶたの腫れを伴うことがあります。夜間に発症することが多く、男性に比較的多いとされています。治療には酸素吸入療法やトリプタン製剤を使用し、予防治療も行います。
慢性的に鎮痛薬を使用し続けることで起こる「薬剤使用過多による頭痛」にも注意が必要です。頭痛を抑えるために薬を頻回に使用すると、かえって頭痛が慢性化・難治化することがあります。当外来では、薬の適切な使用方法を丁寧に説明し、頭痛日記などを活用しながら治療を進めています。
頭痛診療では、「命に関わる頭痛を見逃さないこと」と「慢性頭痛による生活障害を改善すること」の両方が重要です。頭痛は外見からはつらさが伝わりにくく、周囲の理解を得にくい症状でもあります。
しかし、適切な診断と治療により、多くの患者さんで症状改善が期待できます。当院外来では、患者さん一人ひとりの不安や悩みに寄り添いながら、安心して日常生活を送れるようサポートしてまいります。慢性的な頭痛でお困りの方、これまで治療しても改善しなかった方も、どうぞお気軽にご相談ください。
